予備の場代

呼吸は横隔膜が担わなくてもいい

短歌連作/頭蓋骨殿

 

 

 

すばらしくガソリンを酌み分けるあるじへ深々と杯と安全を 

 

 

 

救急隊のおかげで犬が吹き返す映像 バイクは地球を蹴るが

 

 

 

紙幣たちが舞うのは昔本当に舞ったから 紙が変わらないから

 

 

 

隅々から集中を貪りたまえ背面に感じる蕾の育

 

 

 

七対子チートイツ・みんな刻んでいる戒律・お前が地獄を見る倍率

 

 

 

試みにとてもとても耽美であるがしゃどくろが大きく出る

 

 

 

肉食の獣が己が運命を知り出すアイコンを変えながら

 

 

 

声高のコア 思考を始めたよりも止めたほうが多い気がする

 

 

 

短歌連作/destination

おそらく若さからくるエネルギーの発露として適当に綴った短歌のまとめ。最近、年をとることが少し立体的に見えてくる。それは自分の体に不具合が生じてきた、というものではなく…。

共有することについて考える素材としてこの記事を打ち込みます。

 

 

destination

 

 

どす黒い気持ちで漬けた花束を持つ手は一生のおともだち

 

 

一声で変身できる魔法少女の期待は膨らむスイーツみたく

 

 

電車には定員がある 高級なハートのチョコに光があたる

 

 

秋が好きな恋人たちは血の鉄の味も知ってる恋人たちは

 

 

ねえシスター前世はキツネだったんだ覚えてるの嫁いだ日のこと

 

 

正夢と戦うみんな ダイヤモンドを創り出す大きな機械

 

 

すごく機転が利くアイドル/アイドルがイメージカラーの薔薇を抱える

 

 

今日歌え分厚い旗手の肩を借り木箱の前でポーズをとって